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小笠原諸島遠征記⑤ 奇跡の出会い「アカガシラカラスバト」!!

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【ウェザーステーション展望台】
父島3日目!!!
⇒前回の記事はこちら

父島で過ごす最後の1日……。
今朝は早起きをして、朝食前にホエールウォッチングスポットとして名高い
「ウェザーステーション展望台」に行ってみました。

ここでは毎朝?ザトウクジラの数を観測していて、
その結果が遠征記①でも紹介したように商工観光会館にて掲示されます。
ツアー会社のガイドさんもその数字に一喜一憂しているんだとか。
クジラと会えるかどうかはツアーの成否にも関わってきますもんね。

残念ながら私は初日のツアーでクジラを見られなかったので、
何とか父島にいるうちに見てみたいとこちらまで足を運んでみました。


信頼と実績のウォッチングスポットですよ!

さぁクジラはイルカ???(イルカじゃないよ)

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うおおお、ブロー(潮吹き)が見えたぞっっ!!!

ブローはkm単位で離れた場所からも見えるクジラ探索の手がかりです。
まさにマニュアル通りのやり方でクジラを発見できました!

マジでいるんだ!!('Д')

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2頭のザトウクジラが泳いでいました。
どうやら親子みたい。

ザトウクジラは小笠原諸島で交尾、出産、子育てをし、
4月中旬ごろになると餌場がある北に向かって移動を始めます。

メスは最後まで子育てをするために残っているので、
GWの時期は母子連れのクジラが多いようです。

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潜る際には尾びれが水面に出てきます。
「フルークアップ」という行動で、こちらも目立つのでクジラを見つける手掛かりになりますね。

小笠原諸島に訪れるザトウクジラは総数500~1000頭とも言われていますが、
全ての個体を尾びれで識別できるんだとか。すごいな。

この間、僅か十数秒の出来事でしたが、めっちゃ感動しました。
初めて見た実物のクジラでした。
数百m以上離れた場所からの観察になりましたが、それでもこれだけの迫力……。
その存在感は間違いなく地球最大のものでしょう。

小笠原諸島に来たらクジラを見ないと始まらないね!!


さて、興奮冷めやらぬままにユースに戻って朝食を頂きまして、
これから父島最後の目的地である「ジョンビーチ」を目指します。


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【小港海岸入口】

目的地、「ジョンビーチ」へと続く遊歩道のスタート地点までやってきました。
小港園地まで徒歩だと1時間程度かかりますが、原付なら楽々ですね!

しかし、ここから先、ジョンビーチまで車道は無いため、
陸路なら徒歩、もしくはカヤックなどを使って海から渡るしかありません。


故に秘境、故に美しいビーチだと聞きました。
とても楽しみです。

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イソヒヨドリの雄がお出迎えしてくれました(笑)
いつ見ても可愛らしい鳥さんですよね。

おっしゃ行ってくるでよ~~!!

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ハートロックコースにもあった防除セット一式がこちらにもありました。

靴の裏をブラシで擦って酢酸を吹きかけ、服をコロコロで掃除しまして準備は万端。

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さぁ、片道2時間の道のりを行くぞ!

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少し進むとノヤギの侵入を防ぐ柵がありました。
ということは、この向こう側にはノヤギがいるってことですか(;'∀')
早くも外来種との遭遇を予感......。

ノヤギの被害を広げないためにも開けたら閉めるを忘れずに。

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あ、足元にアフリカマイマイの殻を背負うオカヤドカリを発見。
父島のアフリカマイマイって、海岸に近いところに多いんですかね?
殻だけのものも沢山落ちていました。

父島では生体を見なかったのが逆に不思議なほどです。

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柵を越えてからは急な登りが続く……
こんな序盤で負けられないと頂上までノンストップで駆け抜けました!

さっそく無駄に体力を消費したな(^_^;)

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【中山峠】

頂点は標高110m。
海岸から一気に100m以上も登ったようです(笑)

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眼下に見下ろした小港海岸はとても綺麗に見えました。
小港海岸は父島最大のビーチです。

案内板に書いてありましたが、
小港海岸には安山岩質の枕状溶岩を観察できるジオスポットがあるそうなので、
ジョンビーチ帰りにはぜひ訪れたい!

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チャイロネッタイスズバチ
が飛んでいました。
見るからに東南アジア風の本種ですが、やはり外来種です。

国内では1990年に父島で初めて移入が確認されています。

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あっ、ノヤギいた(;・∀・)
群れで行動しているようで、この写真だけでも4頭が写っています。

通りでこの辺りの山が薄ら剥げている訳だわ。
お陰で色々と剥き出しになっていますよ。

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この穴は防空壕でしょうか?
見渡すといくつもの穴が確認できました。

防空壕のような戦争遺跡は島の中でも特に海岸線に集中しています。
海からの侵入に対する警戒、迎撃のための拠点が多いんでしょうね。

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固有種の姿もそこそこ!
遊歩道ではオガサワラトカゲがちょろちょろしていました。
天気が良かったから爬虫類の活性が上がってるね!嬉しい限りです。

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固有のヤシ科植物、オガサワラビロウ。
この植物の種子をかつて存在した「オガサワラカラスバト(絶滅)」が好んで食べていたようです。

であれば現在も生息しているカラスバトだって、きっとオガサワラビロウの種子を食べているはず!

この小笠原諸島遠征でどうしても見たかった固有種の一つが、
幻とまで呼ばれた鳥「アカガシラカラスバト」でした。

これまで父島での2日間では相見えず。
最終日こそ!!!という意気込みでその気配を探していきます。

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【ブタ海岸】

中山峠から一度海岸まで降り切りました。
これ、また登っていくんだよね?(笑)

かつてこの付近でブタを飼っていたらしく、それからブタ海岸と呼ばれるようになったらしい。

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父島の海岸にはどこもグンバイヒルガオが咲いています。
南西諸島遠征では海岸でよく見かける常連植物ですね。

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磁器片が落ちている。
戦争遺跡が多いし、旧日本軍が使っていたものだろうか。

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ここにも枕状溶岩。

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釣浜で見たようなトーチカが埋まっていました。
これってもともとこんなに低い位置にあったのかな?

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中をちらっと拝見。
それなりに立派な雰囲気で、さらに奥へと続いていそうです。

ひょっとすると、この辺りの岩山の内部にはアリの巣のように防空壕が広がっているのでしょうかね?

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【高山分岐】

実は寄り道をせずにジョンビーチに向かえば1時間ほどでも着くのですが、
今回は絶景スポットとしておススメされた高山を経由してみようと思います。

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分岐付近には複数のシマアカネが旋回していました。
付近に池でもあるのかな?

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ここにも穴があります。

父島がこんなに穴だらけだとは思ってもいませんでしたが、
そう言えば、第二次大戦当時に本土決戦を防ぐための最終防衛ラインと位置付けられ、
要塞化された八丈島も穴だらけでした。さもありなん。

雰囲気はちょっと違いますけどね。
八丈島の防空壕の方が形が整った綺麗な穴が多い印象です。
父島はよほど突貫工事だったのかな。

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固有種カタツムリの殻が落ちていました。チチジマカタマイマイか!?
外来ウズムシ等の影響で陸生貝類はほぼ壊滅状態と言われる父島ですが、まだ生き残っているといいな。

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木々の中を登る登る…

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ようやく着きました高山山頂!!

標高は228mと中山峠よりも高いので、
この遊歩道では最高地点ではなかろうか?

ここからは南島がハッキリ見えました。

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リュウゼツランだらけの山頂に舞うナミアゲハ。

この辺りは良い感じの吹き上げもあって、
写真にこそ収められませんでしたが、
天然記念物である「オガサワラタマムシ」の飛翔する姿も観察できました。
ムニンエノキもどこかに生えてるんだろうね。

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こんな山頂にも海浜性植物のハマゴウがあるよ(笑)
固有種じゃありませんけど、自生の木本です。

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ハマゴウハフクレフシという虫癭が出来ています。
どこのハマゴウにもこの虫こぶがあるので見慣れたもんです。

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ホナガソウに放花しているセイヨウミツバチも見かけました。
ハートロックの記事でも書きましたけど、父島名産のハチミツにはオナガソウ蜜が含まれているのでしょう。

外来種×外来種でちょっと複雑な気分ですけど、父島のハチミツはまじ美味しんだよなぁ。
また国内で初めて養蜂を行ったのも父島なので、歴史的な背景も含めて味わい深い一品だと思います。
お土産には蜂蜜をぜひ!(ダイレクトマーケティング)

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センニチノゲイトウ。
外来種が多いのは相変わらず……(;・∀・)

ですが、付近には貴重な固有種の姿もありました。

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ウラジロコムラサキだぁああああ!

きたーーー!!ぜひとも見たかった固有植物ですよ。

小笠原諸島に自生しているムラサキシキブ属の植物は、
島の中で適応放散によって分化した種※であろうことが知られています。
他にもシロテツ属、トベラ属、ハイノキ属など)

湿性高木林~乾性低木林にオオバシマムラサキ、乾性低木林にシマムラサキ、
そして乾性矮低木林にウラジロコムラサキという風に環境によって一つの種が分化したのです!


特にウラジロコムラサキは乾燥環境に適応するため、
葉が小型化&肉厚化、厚い毛で覆われているなど、顕著な形態を示しています。
適応放散が起きやすい海洋島ならではの植物と言えるのではないでしょうか。

「東洋のガラパゴス」たる小笠原諸島を体現したような種の一つであると思います。
こんな場所にあったとは。いや、まさにぴったりな環境で感動しましたよ!

また、ご覧のようにウラジロコムラサキはネットで覆われて保護されていました。
おそらくノヤギによる食害を防ぐためのものでしょう。
ノヤギの駆除が完了すれば、このように不格好なネットを被せなくて済むはず。
父島のノヤギ駆除を応援しています!

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足元にメノウが散らばっていました。
メノウの脈の上を歩くこともあって、静かにテンションが上がるTSK!!

まぁ一人で騒いでたら変な目で見られるしね。
なんて、一人の時は歌いながら歩いてたりするんですが……(^-^;
不意に他人が現れたときとかもう……ね。

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ジョンビーチへと降りていく道の途中にも展望スポットがあります。

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絵と見比べると、島の名前や位置関係がよく分かりますね。
ジョンビーチまでは直線距離で600~700mと言ったところかな。

再び海抜0mまで下らないといけませんけど、あともう少しだ!!

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道中に設置されていたツールボックス。
中には飲料水や応急キットが入っているらしい。
ジョンビーチ周辺は車が入れない奥地なので、観光客が怪我や半遭難したときに活用されるのだろうね。
本当に観光者にとっては有難いことです。


やがて傾斜もなだらかになり、道の先の方まで見通せるようになりました。
すると何やら遊歩道をテクテクと歩いている生物がいるじゃありませんかっ!

そやつが視界に入った瞬間、確信しました。

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おお!!!!!!

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あの鳥はあああああああ

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アカガシラカラスバト
Columba janthina nitens

涙が……(ノД`)・゜・。

思いがけない遭遇でした。

一時は30羽ほどまで生息数が減少してしまい、国内で最も絶滅に近い鳥とまで言われていた本種。
ノネコ捕獲事業によって息を吹き返し、現在は数百羽まで回復しているようです。

それでも出会えないまま小笠原諸島を後にする観光者も多いと聞きました。
父島での最終日に出会えるとはまさに奇跡。

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その名の通り、赤(紫)色の頭、首から胸にかけて広がる緑~青~紫の構造色。
樹幹部から差し込む光に彩られて、その体は幻想的に輝いていました。


う、美しい......。
まるで小笠原の自然の化身の如き姿に身が震えました。

ガチで森の精霊か!!??

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思わず崇めそうになっていると、
その神秘の佇まいとは裏腹に間の抜けた行動も見せてくれました(笑)

口に付いた食べかすが気になっているよう。
人間のような大きな生物がすぐ真下にいるのに呑気なことです。

この警戒心の無さが仇となって、ノネコの餌食に......(;'∀')

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おっ前傾姿勢になった!!

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呆気なく飛び去るカラスバト。

時間にして数分程でしたが、間近で観察することが出来ました。
しかし、その終わりは一瞬なんだな~。

呆然と、奇跡的な邂逅の余韻に浸ってしまいました。

ジョンビーチを前にして、父島でのメインターゲットと遭遇を果たしたTSK。
もう満足したし帰ろうか……




なーんて嘘嘘!!(笑)

次回はしっかりジョンビーチに到着しますよっ!
「小笠原諸島遠征記⑥ ジョンビーチ&父島最後の夜」編に続きます。
しばしお待ちください!

※写真の枚数が多くなってしまうので記事を分割することにしました(;・∀・)



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プロフィール

TSK

Author:TSK
生まれついての石好きですが、
学生時代に植物、爬虫類、両生類、昆虫への興味が開花

本ブログでは主にそれらの話題を書いていくのかも?

ボールパイソンの「レッちゃん(レッサー・♀)」「モーくん(ハイポモハべ・♂)」を飼っている他、
マウスの繁殖、オオクワガタのブリードにも手を出してます

その他趣味は野草料理に薫製!
ゲテ食いも大得意
離島・沖縄大好き人間であります

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